読んだ漫画メモ
読んだ漫画のメモです。
和山やま『女の園の星(1)』
和山やま『女の園の星(1)』。女子高で教鞭をとる星先生のなんてことはない日常の物語。お耽美な絵柄とシュールなギャグが秀逸。作中で生徒が描いている漫画、「エターナル・カオル」の怒涛の展開のインパクトがすごかった。でもこういう目まぐるしく展開が移り変わるドラマってありますよね……。
野田サトル『 ゴールデンカムイ 26』
札幌で4つの勢力が火花を散らす26巻。切り裂きジャック、宇佐美の死、上エ地、門倉の背中などなどもうとにかく内容が濃いです。宇佐美の死に際、鶴見中尉は小指を切り取って君は自分の一番だとささやく。ピエタ像のような神々しさでしたが、鶴見の表情が見えないのは本当に彼を悼んでいるのかそれとも演技なのか、どっちか分からないですね……。
森薫『乙嫁語り 13巻』
スミスがタラスを連れて帰郷する道のり。以前出会った双子の元に着き、相変わらず賑やかにやってる双子にもてなされます。情勢の方は不穏でアミルとカルルクにはあえないままでしたが、なんとかインドのボンベイまでの船に乗ることができました。といってもこのスミス達二人はこのまま素直にめでたしめでたし……となるのか不安ですが。なんとか幸せになって欲しい。アリとニコロフスキともお別れです。次巻はアミルとカルルクサイドの話になるようです。
読んだ本メモ
あまり時間が取れず記事を書けていませんが、読んだ本をメモしておきます。
エラリー・クイーン『Xの悲劇』
エラリー・クイーン(発表時はバーナビー・ロス)の『Xの悲劇』。耳が聞こえなくなって引退した元シェイクスピア俳優、ドルリー・レーンを探偵とする話。ロマンスグレーの老紳士で当時としても時代がかった衣装に身を包み、シェイクスピア趣味が過ぎる豪邸に住み、半裸で日光浴が趣味という…。今でいうハリウッドスター的な存在なのでしょうかね?衆人環視のなかの毒殺、顔のつぶれた死体、ダイイングメッセージのXなどいろいろ趣向が凝らされています。
エラリー・クイーン『クイーンの定員』
『クイーンの定員』。クイーンつながりでこちらも読みました。 クイーンによるミステリー史の編纂という趣旨の本です。エドガー・アラン・ポーやアーサー・コナン・ドイルなどを中心に、ミステリー小説(と言えないものもありますが…)を収録しています。印象深かったのはオルドリッチの『舞姫』、スティーブンソン『クリーム・パイを持った若い男の話』、ポースト『罪の本体』など。今でも通じそうな秀逸な作品が多かったですね。
京極夏彦『嗤う伊右衛門』
京極夏彦『嗤う伊右衛門』。再読。四谷怪談のお岩さんの話。お岩さんの旦那、伊右衛門を主人公に据えている。伊右衛門は一般的には悪党として描かれているが、この話では愚直で不器用だが正義感がありすこぶる腕が立つ、しかしどこか捨て鉢な世捨て人……といった風情のキャラクター。そんな彼がお岩さんに出会い、お互い惹かれ合っているはずなのに悲劇が起きる。京極夏彦らしい、狂気と幻想にありながらどこかロジカルな目で世界を分解して再構築しています。作中には京極夏彦の巷説百物語シリーズのキャラ、又市もちょい役で出てきます。(知らなかったんですが又市は原典である四谷怪談に出てくるんですね)
幻夢戦記レダ
幻夢戦記レダ
⭐⭐⭐
名前だけは聞いたことがあり、興味があったので鑑賞。
普通の女子高生陽子が、好きな男の子に告白する勇気が持てずにいると、突然異世界アシャンティに迷い込む。女神レダの力に感応することができる陽子は現実世界へ戻るために戦うことになる……という話。
古い作品ですが、いのまたむつみキャラデザでとにかく女の子がかわいい。ビキニアーマーですよビキニアーマー!レダはどうやらビキニアーマーの始祖的な存在らしい。作画もメカやアクションはすごいし大変丁寧に作られている。ビキニアーマーとメカの雰囲気を楽しむアニメですね。
話自体は尺が短いせいか非常にシンプルな感じで特筆することもあまりなく。登場人物が少ないせいかせっかくの異世界なのに話に広がりを感じなくて、もうちょっと構成を複雑にしてもよかったんじゃないかなあ。カセットテープがキーアイテムになってるのは面白かったかも。
シャーロック・ホームズシリーズ
シャーロック・ホームズシリーズ
アーサー・コナン・ドイルのホームズシリーズを少しづつ読んでいます。とりあえず刊行順にメモ。
「緋色の研究」
ホームズとワトスンの出会い。驚異的な推理力を見せるホームズと、彼を助け、読者に解説するというワトスンのコンビ。前半は事件、後半は回想の二部形式。ソルトレークシティがモルモン教徒由来の土地だったというのはここで初めて知った。さすがに作中の描写についてはフィクションらしいですが。
「四つの署名」
面白い事件が来ないので退屈しのぎにお薬を打つホームズ^^;。インドに駐留していた将校の因縁の話。ワトスンの奥さんになる女性のメアリーが出てくる。
「シャーロック・ホームズの冒険」
短編集。「ボヘミアの醜聞」、「まだらの紐」、「赤毛組合」などが収録。ホームズを出し抜いた唯一の女性アイリーンが登場。
「シャーロック・ホームズの思い出」
短編集。「最後の事件」収録。「黄色い顔」出だしはホラー風味だが、ホームズの推理とは違った展開に。「マスグレーヴ家の儀式」宝探しの暗号文の解読シーンがワクワクして良い。そして「最後の事件」でシャーロックホームズを終わらせる存在として出てくる、犯罪の天才モリアーティ教授。言葉もなく御者やってるマイクロフト兄さんがちょっと面白い。
「バスカヴィル家の犬」
最後の事件より前の時系列。バスカヴィル家の伝説にまつわる話。
ワトスンの怪我の位置や年代など、細かい描写の矛盾があったりするらしい。その辺は子供の頃に読んだ時はぜんぜん気にしていなかった……。服の袖にハンカチを突っ込むのは軍人の癖、カフスに直接メモ書きをするなど当時の風俗がわかるのがへーっとなる。
西の善き魔女1~3巻
荻原規子「西の善き魔女」
「西の善き魔女」を途中まで読んだのでメモ。
とりあえず1~3巻まで。少女向けのファンタジー小説。西の善き魔女と言われる女王が統治する国で、少女フィリエルが自分の出生の秘密を知る。幼馴染で異端の少年ルーンとの恋の行方はどうなるのか。ただ周囲に流されるままにいたフィリエルの立場が宙ぶらりんな印象だったんですが、闇堕ちしてしまったルーンを追いかけるという目標ができたのかな?実在の童話やファッションの話が重要なファクターとして出てくるっぽいんですが、ファンタジーと見せかけて現実と地続きなんですかね。しかし、作中人物が男同士の恋愛を空想したりルーンが女装したりとなかなか良い趣味をされている……。
シン・ゴジラ
シン・ゴジラ
⭐⭐⭐⭐
シン・エヴァンゲリオン劇場版:||が公開されて観て来たので、その流れでシン・ゴジラも観た。実を言うと特撮系の作品はまったく見たことがなく、初ゴジラなため、シリーズ作品との比較はできないが、感想を。
怪獣映画というよりは政治ドラマメインで、ゴジラはあくまで舞台装置、ゴジラという巨大な災害を前に日本人がどうするか……といったものを描いている。原爆が根底にあるが、被害の描写など、東日本大震災の影響を強く感じる。最初の上陸の所とかもろ津波で怖いんだよなあ。ゴジラの行動にも対処法にもそれほど絵的派手さはなく、現実にありえそうな範囲で描写されていて、もしも実際にゴジラが来たらこうなるだろうな、という恐ろしさを感じる。最初の政府ののんびりした感じはコミカルに描かれているがほんとに嫌なリアリティだ……。派手さはないとは言ったが、在来線爆弾や背びれからビーム出すところなどおおっとなった。最後に各国の協力で作戦成功させるのはベタだけどやっぱりよいですね。
ただ、見てて思ったのはこれはあまりにもエヴァではないか?ということ。同じ人が作ってるなら似たようなもんになるかもしれないが、そのまんまエヴァのBGMを使ってたのはどうかなあというところ。
次に公開されるシン・仮面ライダーはどんな感じになるのだろう?
進撃の巨人最終話
進撃の巨人が完結。最終話を読んだので感想を。ネタバレあり。
一生オレだけを想っててほしい!!!しばらく……10年以上は引きずっててほしい!!!!って叫びが本当に情けないけど、エレンってこういうちょっと情けない所があるやつだった。最後に何も変わってないエレンが見れてよかった。
ユミルは王に愛して欲しかったのか?というのは何となく感じていたけれど、2000年の隷属が王への愛ゆえというのは驚いたかも。ミカサの愛の覚悟?愛しているゆえに殺してでも止める?のを見てユミルが成仏した、ということでいいのか。とにかくそれにより巨人化能力はこの世界から消えたけど、本当の闘いはこれからだ……という感じの終わり方。もっと尖った終わり方を期待してた人もいそうだけど、個人的にはエレンの本音を見れたのでよかったなと思えるラストだった。
いやしかしライナーも兵長も生き残っちゃったけど、結構元気そうでよかったね。